東海オンエア『【クイズ番組あるある】難し過ぎるクイズに自分だけ正解する快感を味わってみたい!』について
以下の文章はネタバレを含むため動画を見てから御覧ください。
2019年3月21日に投稿された人気YouTuber・東海オンエアの動画はクイズを題材にしたものであった。
YouTubeでクイズといえば大手QuizKnockの他に、今年に入ってからクイズ作家集団であるカプリティオがチャンネルを設けており、
YouTube内でクイズ企画をする際は大抵この2チャンネルとのコラボという形で実現することが多いのだが、
この企画はそんないわゆる「その筋の人」達をアテにせず、おそらくクイズに関する素人である
東海オンエアの「バディ」ことカメちゃんが用意したようで、
「もしかしたら分かるかもしれない」「答えられたら格好良い」
サムネにもあるように「超難問」を作ってくれという依頼により30問が動画の中で紹介されている。
ここで自分について軽く説明する。自分はただのクイズ好きで、
作問もいわゆるテレビクイズではなくクイズ好きが集まって行われる大会に
何度か投稿経験があるのみで、上記に上げたようにクイズのプロではない。
なのでクイズについて「合っている」「間違っている」等の判断はなるべくしたくないが、
おそらくこの動画に出演している人よりはクイズに触れてきた時間が長いだろうという矜持を持って、
また個人的に「クイズをほとんど知らない人が作ったクイズ」というのは
クイズの世界にいるとなかなか見られないので
どういう問題が作られたか、この問題はクイズ好きからどう見えるかというものを
軽く紹介したいと思う。東海オンエアファンには申し訳ない。
コメント欄にもQuizKnockとのコラボが期待されており、
後編に続くそうなのでおそらく後編ではプロの作問家の手によって
格好良く答えられる姿が見せられそうな問題が作られるのではないかと思っている。
第1問
時系列に蓄積されたデータの中から
各項目間の関連性を分析するシステムを
なんと言うでしょう?
(A.データウェアハウス)
カメちゃんが動画に関してどれほどの知識を持って参加しているのかは分からない
(恐らく詳しい部類に入るのではないかと思う)が、
素性の知らない人間がネタを持ってきた時、その1手目に見せるネタは
今後その人がどのくらいのレベルのものを持ってきたかという指標になるため
重要であると考えるのは容易である。
そこで用意されたのがこの問題である。システム系の単語だが、個人的には聞いたことがなかった。問題文は
https://marketing-campus.jp/word/ta/011.html
に書いてあるものをそのまま用意したようだが、
同じサイトに書かれているように現代ではあまり用いられず、
90年代にHDDの大容量化によってもたらされた技術を指すようである。
現在出す問題かという点においては及第点かもしれないが、
答えが特定できるという点では申し分ないのではないだろうか。
実は初めてクイズを作る際でもっとも難しいのはそこなのである。
第2問
世界の言語使用人口の多い
言語第30位はなんでしょう?
(A.オリヤー語)
こういう問題がまずい。何故ならこの問題には年代が特定されておらず、
いつの統計を利用したかが分からない。2018年のデータを利用したなら
そう書くべきで、それがあってようやくギリギリ問題として成り立つ。
が、この問題のまずいところはそこに限らず、さっきの問題については
例えば幼少時代に解析システムを触ったことがある
(90年代彼らは生まれたばかりだと思うが)
人間ならもしかしたら答えを知っているかもしれないが、
これは「オリヤー語」自体が彼らにとって初耳である可能性が非常に高く、
しかも「30位」という何のひっかかりもない順位で出すのがまずい。
多分、「1位は何?」と問題を出したって彼らの多くは「英語」と答えるはずである。
(「言語使用人口」という言葉も微妙だが、母語話者に限れば答えは中国語)
一応自分が似た問題を作るなら、という改作を以下に上げておく。答えは最後に。
【改作2】日常会話で用いる人は2億人を越え日本語の話者よりも多い、
インドやバングラデシュで使われる言語は何?
(A.記事の最後)
単純に問題を作るなら「日本語の話者よりも多い」という情報は不要だが、
個人的には「それなら知っていてもおかしくないな、でも知らないな」
というレベルの情報があった方が見ている人も楽しめると思う
(テレビクイズなどはその辺りが本当に上手になされている)。
素晴らしいところも挙げておく。それはジャンルをばらけさせてきたところである。
何もクイズの知識がない状態でクイズを作ろうとすると、
自分が詳しいジャンルの問題をたくさん作りがちである。
最初に作問の依頼をもらった時に指示があったのかも知れないが、
ここは感心した点である。
第3問
主に甘味料として使われる「ソルビートル」
という食品添加物の化学式は?
(A.C6H14O6)
まず「ソルビトール」が正しい名称であると思われる。
クイズの問題文の誤記はそれだけで答えられた人間が答えられなくなる、
あるいは似たような語句のミスリードを誘う可能性が高いので
特に一生残る可能性のあるYouTubeでは気をつけたいところ。
化学式は「難易度を上げたい」という場面では実際のクイズの世界でも使われがちな要素だが、
一般的にはこの問題の場合だと「化学式ではC6H14O6で示される~」
のように前振り(クイズの導入部)で使われることが多い。
今回の件に関してもそっちの方がスマートだった気がする。
【改作3】化学式ではC6H14O6で示される、
ナナカマド属の植物から発見されたためその名前がつけられた甘味料は何?
(A.ソルビトール)
かなり普通のクイズにありがちな構文になったと思われる。
甘味料の名前を複数個挙げられる人は(クイズ未経験者には)そうそういないと思われるし、
答えられたら格好良いという本質の部分は失われていないと思われる。
ちなみに個人的な好みを言えば物質名を答えさせる問題で化学式を出すのは
全くスマートではないと思っている。それを摂取するとどうなるとか、
それによってこんな有名な人が影響されたとか、
そういった情報の方が重要だと思うのは文系脳だろうか。
第4問
ランニングエコノミーの向上に
有効とされるトレーニングとは?
(A.プライオメトリクス筋力トレーニング)
第2問(出典が問題文にあれば)を含め、今までは「答えが一意に定まる」問題だったので
まだ出題価値はあったが、これは完全に一意に定まらないので最高にまずい。
ランニングエコノミー、つまり走る時の効率のことだが、
これに対して有効であるトレーニングはプライオメトリクストレーニングの他にも
レジスタンストレーニング(一般的に「筋トレ」と呼ばれるもの)や
ウエイトトレーニングなど、あらゆるトレーニングが効率的に走るために有効であるとみなされる。
これは「特に(有効とされる)」などで修飾しても一般的には一意に定まらない。
ゆめまるが「言葉だけは知ってる」と言って悔しがっていたが、
例えば「プライオメトリクス」の語源(ギリシャ語で「長さが伸びること」)を指して一意にし、
筋トレと何が違うのか(瞬発力を高めるために行われる)などが特定できれば
もしかしたらゆめまるは格好良いところを見せられたのではないかと思う。
【改作4】ランニングエコノミーの向上に有効とされる、
ボックスジャンプやタックジャンプなど、瞬発力を高めるために行われる
トレーニングのことを特に何という?
東海オンエアは陸上部出身の人が多いので、得意分野だからこそ難しく出題しようとしたのだろう。
第5問
ハリーポッターの呪文で
「水よ」を意味する呪文の名前は何?
(A.アグアメンティ)
「ラッキー問題」というフリがあり、実際にとしみつが正解している。
観た人は知っている可能性が高いということが問題文で分かり、
頃合いの良い問題ではないかと思う。自分は観ていないので知らなかった。
実際に作品の中でも大きな事件を解決する時に使われているようだし、
pixivには「目からアグアメンティ」という面白いタグも見つかった。
「ハリーポッターのこの作品のこういう場面で使われた」という前振りがあれば
回答者側に親切だとは思うが、難易度としては適切。
第6問
柔道の父、嘉納治五郎の
妻の名前は?
A.(須磨子)
有名人の妻の名前はわりと聞かれることも少なくないが、その場合
その妻自身も何かしら歴史に残すような貢献をした際に問われることが多く
(例として、大河ドラマ『八重の桜』の主人公のモデルとなった新島襄の妻・新島八重など)
嘉納須磨子がクイズに出される要素を調べたが、
『桟雲峡雨日記』で知られる熊本藩士の漢学者・竹添進一郎の次女であったことくらいが
情報としてめぼしいものかなあという感じであった。
ここまでジャンルとしてはコンピュータ→社会→科学→スポーツ→芸能→スポーツであり、
ジャンルはばらけているように見えるが文学問題が少ないように感じる。
文学問題が得意であろう虫眼鏡はもどかしい思いをしたのではないだろうか。
第7問
ベートーヴェンのお墓は
どこにある?
(A.ウィーン・チェントラルフリートホーフ)
おそらく墓地の名前だろうが、この問題だと「ウィーン」「オーストリア」「ヨーロッパ」「地球」などでも正解になってしまう可能性があるので
「お墓のある墓地の名前は何?」などにした方が正解を一意に出来るだろう。
(ツェントラルフリートホーフは「中央墓地」というそのままの意味)
ちなみにベートーヴェンの墓の近くにはシューベルトの墓もあり、
この2人の墓があるなら普通にクイズに出ていてもおかしくない
(個人的には見たことはないが、クイズをしている人なら知っている人も多いと思われる)。
ちなみに虫眼鏡が解答した「ハイリゲンシュタット」は、
ベートーベンがここで養生していた際に遺書を書き、
それが「ハイリゲンシュタットの遺書」として有名なものであるため書いたものと思われる。
(これはクイズにはめちゃくちゃ出てくる)
これを出せるのがそもそもめちゃくちゃ凄いということは特筆しておく。
第8問
分岐鎖アミノ酸ことBCAA
なにで構成されてる?
(A.バリン、ロイシン、イソロイシン)
答えが複数ある際は先に言っておいた方が親切である
(実際に解答した2人はそれぞれ単一の答えを記入した)
し、クイズを出す際には答えを1つに絞った方が良いと思う(バリン、ロイシンと何?)
8問で化学の問題が2つ出てきたところにジャンルをばらけさせる限界が来ている気がするが、
そもそもBCAAとは8つ、あるいは9つある必須アミノ酸のうち
答えとなっている3つのアミノ酸の総称であり、
「構成されている」は混乱を生む(BCAAというものがこの3つで出来ていると思わせる)
表現なのではないかと思う。
【改作8】8つ、あるいは9つ存在する必須アミノ酸のうち、
バリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸のことを、
その分子構造からアルファベット4文字で何という?
(A.BCAA)
有識者から、そもそもBCAAというのは分岐鎖を持つアミノ酸の総称であり、
現在はこの3つが知られているがこの3つに限ったものではないという意見が出た。
さらに改作しようと思ったが、「BCAAは筋肉の構成に役立つ」など、
その名称や他のアミノ酸との構造上の違いに触れている文献(サイト)があまりに少ないので、
正しい問題文には出来るけど未クイズ経験者に出すほどの問題には
ならない(一般的なBCAAへの認識と乖離する内容になる)と思い作成を辞めた。
第9問
「青砥稿花紅彩画」(通称「白浪五人男」)
正体を明かす際の長せりふの冒頭になんというでしょう?
(A.知らざあ言って聞かせやしょう)
サムネの問題である。
テロップの問題文も少し危なっかしい
(正体を明かす際に言う長せりふの、冒頭の有名な一節は何でしょう?が自然か)
が、実際にしゃべった内容は「長ぜりふを何というでしょう」だったので
回答者は長いセリフを答えなければいけないと思い込み、
思考を放棄してしまった可能性が高い。
「弁天小僧菊之助」がツボに入っていたようだが、
『白浪五人男』はクイズでは必須の知識であり、5人それぞれの名前が答えになるクイズも
多く存在していると思われる。無論この問題も答えの出るものだったであろう。
答えを言った時にゆめまるが「ラッパーの曲である」と言っていたので、
「2004年に逝去したラッパー・TOKONA-Xが最後にリリースしたシングルのタイトルにもなっている…」
という前振りがあればもしかしたらゆめまるは答えられたかも知れない。。
第10問
ポケットモンスター金、銀版の四天王
カリンのヘルガーの持ち技4つ答えなさい
恐らく作問者(カメちゃん)は東海オンエアがポケモンに精通していることを知っており、
なおかつ自分にも知識があったので、答えられなさそうな問題を作るとしたら
これくらいのものを出題しなければならなかったのだろう。
一般的なクイズとしてはかなり厳しい問題だが、
カルトクイズの様相としては正しいものと思われる。
第11問
インドの国技「カバディ」、攻撃中に
有名だが、この掛け声をなんという?
(A.キャント)
作問者がどこでこの知識を手に入れたかは不明だが、
クイズの世界ではカバディは超メジャーなスポーツである。
攻撃側がレイダー、防御側がアンティ、そしてこのキャント、
これらの用語はクイズではほぼ挨拶のように出てくる。
メンバーの中にクイズに日常的に触れている人がいたら
答えられていたかもしれない。スポーツ問というよりはクイズに詳しい人の問題である。
第12問
ガチャピンのご先祖様は
なんという恐竜?
(A.ドラビドサウルス)
てつやが「ガチャピオンみたいなそういうことかと思った」と書かれていたが、
全く見当はずれではなく、実はドラヴィドサウルスは学術的には恐竜ではなく
爬虫類の一種(首長竜)の一種で、それをガチャピンの先祖である恐竜という設定に
しているようである。実在していたと思われる種族なので創作上の生物とは異なるが、
「恐竜の子供」という設定とは齟齬があり、作問価値はありそうなので
その辺りを整備すれば普通にクイズで使えるのでは?
【改作12】実際には恐竜ではなく首長竜の一種だが、
「恐竜の子ども」であるガチャピンはこの「恐竜」を先祖に持つとされる
白亜紀の末期にインドで生息していたとされる動物は何?
(A.ドラヴィドサウルス)
第13問
2016年にはベルルッティの
クリエイティブディレクターも務めた
コロンビア出身のデザイナーの名前は?
(A.ハイダー・アッカーマン)
そもそもベルルッティは東海オンエアの中で浸透しているのだろうか?
検索すると「富裕層に人気」と書かれていたので知っていた可能性はあるが、
デザイナーなんてどの人を答えても「凄い!」となるのだから、
それより実際にメンバーが利用しているブランドのデザイナーを出題して
「ほらお前今持ってるんだから分かるだろー!」みたいな流れにした方が
動画的にも面白いのかなあと思いました。
【改作13】セールスマンのジョン・バウマン、彫金職人のレナード・カムホートと共に
ジュエリーブランド「クロムハーツ」を立ち上げ、
オーナーでありながらデザイナーも務めている人物は誰?
(A.記事の最後)
本当は財布を使っていることで知られるドルガバを出したかったが、
ドルガバのデザイナーはドルチェとガッバーナなので問題にならないと判断した。
第14問
2018年珍しい苗字ランキング
1位は何?
(A.蜆)
こちらは第2問と違って出典が書かれているし、
30位などという中途半端な順位ではなく1位を出題しているのでクイズとしては成り立っているが、
そもそもランキング問題は年によって結果が変わり、その年のものを覚えていても無意味なことが多いので
なるべくクイズに出すべきではないと思う。
苗字は奥が深くクイズにもたまに登場するテーマだが、
実際には存在しない「幽霊苗字」の情報も多く、
正しさを大事にするクイズにおいては珍しい苗字を出題するのは諸刃の剣と言えるだろう。
第15問
このおもちゃの名称はなんでしょう?
(A.スリンキー)
良問。答えが出た後「トイストーリーだ…」というコメントも飛び出し、
名称が初見でない(今までの人生で経験したことの中にヒントがあった)ことも伺える。
こういう「よく見るけど名称を誰も知らない」問題はクイズでは頻出されるし、
視聴者の受けも良いものと思われる。この問題はYouTubeという舞台を考えても
その難易度のバランスの取れた問題。
第16問
2018年、「テニスの王子様バレンタイン」で
読者から送られたチョコレートの総数は?
(A.45万個)
東海オンエアの「○○王」で出されるような問題ではよく
「一番近い数字を言った人に1pt!」みたいなことが起こるが、
そういう形式でないと成り立たない問題だろう。
クイズでは意味のある数字(例えばカバディの1チームの人数=7人)を出題するべきであり、
「多いけど10万でも50万でもそんなに変わんねえな」みたいなこういう数字を
クイズにするべきではない。
あえて言えば45万個という数字は結構インパクトがあるので
動画向きではあるが、とすればなおのこと先程のような使い方をするべきだった。
第17問
日本で最初の
フルカラー長編アニメーションはなに?
(A.『白蛇伝』)
いわゆる「クイズ」に出てきそうな問題。実際に問題数最多を誇るクイズゲーム
『クイズマジックアカデミー』シリーズには出題されている。
第18問
英雄「アルジュナ」を宿敵とする
不死身の英雄の名前は?
(A.カルナ)
第19問
昭和20年に撤廃された陸軍大臣
初代陸軍大臣の名前は?
(A.大山巌)
第17問からこの辺りにかけては実際のクイズの舞台で出そうだなあという問題が並んでおり、
他の人に頼んだか、そういったクイズに関連する本やサイトなどを見たのではないだろうか、
という気もする。特に訂正する必要もないが、もっとメンバーに寄せた内容にしても
良かったような気がする。普通のクイズ王が普通に答えて「お~」という内容、というイメージ。
以降は問題として成立しているものが多いので改作が少なくなる。
第20問
酸化アルミニウムの結晶に
クロムが1%混入した鉱物を何という?
(A.ルビー)
これは答えを聞いて「へー、ルビーってそういうものなんだ!」となるのでテーマ自体は良問なのだが、
精密さを問うならば「1%」は「約1%」とした方が良かったとは思う。
(一般的にはおよそ0.5%~1%のものをそう呼ぶとされる)
虫眼鏡が解答したサファイアだが、クロムが0.1%ほどの含有量だと
「ピンクサファイア」と呼ばれる鉱物となるように、
実際のサファイアは酸化アルミニウムの結晶からなる宝石のうちルビー以外のものであり、
サファイアと答えただけでも大変に優秀である。
第21問
ヨーロッパにあるミニ国家のうち
自国に空港を有する国はどこ?
(A.マルタ共和国)
この問題から察するに、30問作るのが大変だったから雑学本から取ってきたのでは?
メンバーには「ミニ国家」がそもそも浸透していないようだったので
その説明があればもっと場面に即した問題になったとは思うが…。
ヨーロッパでは常識なのだろうか。
第22問
カタツムリなどが交尾の際
「恋矢」と呼ばれる石灰質の槍状構造物を
突き刺す行動をなんという?
(A.ダートシューティング)
これも雑学本っぽいなあ。「恋矢」を答えるだけでも充分凄いと思うが。
まあ交尾の話題で盛り上がっていたので今までの問題の中では
もっとも東海オンエアにおもねった問題なのかも知れない。
第23問
黒のカラーコード表は
「#000000」であるが、白は?
(A.#FFFFFF)
虫眼鏡が「#FFFFF」と惜しい誤答をした問題。
出題者が「#00000」と言ったために間違った可能性がある(ので問読みの責任は重大である)
が、カラーコードはどうひっくりかえっても数字6文字(あるいは3文字)なので
これは誤答を取られても仕方がない…。
彼らより少し上の世代になると、HTMLを平文打ちして自作HPを公開していた人間も
少なくないであろうので、この問題には答えられた人が多かったのではないだろうか。
第24問
「意志と表象としての世界」を記した
ドイツの哲学者の名前は?
(A.アルトゥル・ショーペンハウアー)
しばゆーが答えるのではないかという空気が出ていたが専門分野なのだろうか。
前にソクラテスの動画も出していたし。
ショーペンハウアーは哲学者として有名で、この問題では著作しか書かれていないので
一見不親切そうに見えるが、彼が示したのは人間の認識というのは世界の表象に過ぎず、
本質を捉えない生への盲目的な意志である
(が、生活においては他の意志によって遮られてしまうため人生は基本的に苦痛であり、
その苦痛から逃れるには芸術や意志の否定が必要である)
という思想だったためタイトルを読めばそれが分かるようになっており、
見た目のシンプルさ以上に正統な(哲学を勉強した人間ならもしかしたら答えられる)問題だと言える。
第25問
世界初のクレジットカード
専用会社はどこ?
(A.ダイナースクラブ)
メンバーが「へーダイナースクラブってそうなんだー」というお手本のような反応をしたため
良い問題だったといえるのではないだろうか。
実際のクイズで使おうとするなら創業者や創立年など、
もっと装飾をつけ答えを特定出来るようにした方が良いと思うが。
第26問
染色体の本数が54本の動物といえば?
(A.ヒツジ、ヒメリンゴマイマイ)
頭脳王なら答えられそうな問題ではあるが、
日本一の頭脳を決める頭脳王でさえ出題されているのは
世界最多の染色体の数を持つと言われている昆虫と、その染色体の数を答えなさい
(A.アトラスブルー、448~452本)
であり、やはり最大や最小を問うた方がクイズらしいと言える。
第27問
万物のアルケイは水であると唱えました。
「アナクシマンドロス」はなんと唱えた?
(A.トアペイロン)
また哲学である。
「アペイロン」じゃないのかと思ったが「ト・アペイロン」とも表記するらしい。
アペイロンとはギリシャ語の「限定されないもの」「限界を持たないもの」を意味し、
あらゆるものを生み出す全ての母となる「無限」を指すものであるとされるが、
この説明が問題文にないのでアペイロンについてアナクシマンドロスがそう言った、
という情報しか提供されていない味気ないものになっている。
第28問
ボルヴィックはヨーロッパでは珍しく
軟水のミネラルウォーターですが、
硬度はいくつ?
(A.60ppm)
硬度は国によって単位が違う(ppmはアメリカや日本で使われているものだが、
フランスで用いられる°Fだと5°Fである)ので、問題文で単位を指定した方が良いが、
そもそも硬度を問うという問題設定自体がナンセンス(テニプリ問参考)ではある。
第29問
高級ワイン「ロマネコンティ」
名前の由来は18世紀フランスのブルボン朝の
「コンティ公」に由来するが「コンティ公」の本名はなに?
(A.ルイ・フランソワ一世)
似たような問題が並んでいる。
調べたところ「コンティ公」は貴族の一門であり、
実際にコンティ公と呼ばれたのはルイ・フランソワ一世だけではないので、
(名前の由来もコンティ公が得た畑にコンティと名付けただけで
ルイ・フランソワ一世から直接ロマネ・コンティと名付けられたわけではない)
問題自体に不備があると思われる。
「ブルボン朝の貴族ルイ・フランソワ一世が入手した畑から名前がつけられた~」
という前振りにしてロマネ・コンティを答えさせても良さそうだが、
どうしても「フランスワインの一種は何?」という落ちにしてしまうと
勘で当てられる可能性も低くないのでそもそも出しづらい内容だったかもしれない。
第30問
タイの首都「バンコク」の正式名称は?
クイズ好きなら「あーアレね」となる問題である。知らない人は以下の動画で。
見ての通り頭脳王で出題される問題である。クイズ好きな人はこういう長い単語が好き。
2010年代のいつだか、バンコクの正式名称はこれではなく
「クルンテープマハーナコーン」という短い名称になった、という話が出回った。
Wikipediaの「世界一の一覧」に書かれているが、正式なものかは不明。
クイズ界隈では有名な問題だが、自分なら出さない。
プロのクイザーの人でこいつ変なこと言ってんなと思ったらコメント下さい。
【改作2】の答え:ベンガル語
【改作13】の答え:リチャード・スターク